2008年10月08日

第九回 特選落語会〜権太楼・平治・菊志ん これが落語の底力〜

第九回 特選落語会〜権太楼・平治・菊志ん これが落語の底力〜
2008年10月4日(土)会場:深川江戸資料館小劇場

開口一番:柳家小んぶ「道灌」

古今亭菊志ん「明烏」
元気良く登場。ここでウケないと平治さん権太楼さんが、
みんなの聞きたい大きいネタをやらないかも、なんて枕で軽く脅す。
若旦那のハナシ。
いっ平さんと木久蔵を例に出し、苦労がない、
無駄に声がでかい、と久々に毒舌。
これは意外や意外、ギャグの仕込みにもなっているのでした。

噺の方はリズムに乗って聞かせる部分と、
芝居をする部分でメリハリを付けているけど、
ちょとくどく芝居をして、笑わせるという場面が多かったかな。
そして衝撃だったのはサゲ。
すっかり大人になった若旦那は、
キャラが変わってしまうほどに立派な男になっていた!
コレおもしろいわァ。
花緑さんの「明烏」にも近いもの(若旦那による復讐劇)を感じるけど、
こっちのほうがサゲのニュアンスもおもしろい。

やっぱ菊志んさん、イイですねェ。
当たり前のように、当たり前じゃない落語をやってくれます。
こういうのに当たるから追いかけてしまう。

桂平治「源平盛衰記」
今日はCD用の収録をしているんだけど、
「もう主な演目は収録済み」と言つつ、
師匠の桂文治の十八番だった「源平盛衰記」を、とのことで
場内は盛り上がる。

といっても、ほとんど漫談でしたね。
先代の林家正蔵(彦六)や、正雀、春風亭柳昇なんかの、
モノマネ入りのエピソードやら、オリジナルのギャグなどなど。

もちろん、おもしろかったけど。

柳家権太楼・桂平治「対談」
落語には縦の笑いと横の笑いがあって、
盛り上がりをつくる縦の笑いの噺なら長さがあっても良いが、
細かいギャグの連続の「源平」は長くちゃだめ、
と平治さんにだめだし。なるほどねェと納得してしまいました。
あと「源平」といったら立川談志と言っていましたね。

大相撲の八百長は悪くないというハナシやら、
わりと雑談という感じでした。

仲入り

柳家権太楼「粗忽の釘」
これは確か、ネタ下ろししたばかり何でしたっけ?
イイものが聞けたなァ。

序盤こそ、スロースタート気味だったものの。
引越が終わって、粗忽な旦那と、その旦那を叱り飛ばすお上さん、
という夫婦のおかしさと、ヒートアップする旦那の粗忽に大爆笑。
隣人たちの困惑する表情と、まったく気にしていない粗忽人間の面白さ。
「脇の下コチョコチョ」も微妙にエロくて笑ったなァ。

2008年10月07日

柳家権太楼独演会

柳家権太楼独演会
2008年9月27日(土)会場:三鷹市芸術文化センター星のホール

柳家ほたる「一目上がり」
なんと噺の途中で入場できないシステムになった、星のホール。
ロビーにたくさん人がたまって、
小さいモニターと音で落語を聞いています。

着くなり、すぐ中に入れないと知って
「朝日名人会じゃないんだから」とか思ったけど、
あっちは開口一番の間は入場自由ですからねェ。
ちょっと神経質な客に対して過保護すぎじゃないかなァ。

柳家右太楼「野晒し」
けっこうリズムが良いですね。楽しくきけました。

柳家権太楼「井戸の茶碗」
今日は紙屑屋の噺を二席演るとのこと。
といっても、それぞれ別人だし、もっと言うと与太郎だって、
噺によってそれぞれなんだ、と持論を展開。
紙屑屋は職業だけど、
与太郎は人物・キャラだからハナシは別じゃないかなァ。
まァいいか。

噺の方は、相変わらずの権太楼落語で、爆笑編。
四苦八苦して半泣きの紙屑屋は、
終いにはお金を投げちゃうんですが、
そのときの「ウェー」って顔のおもしろいこと。
そんな紙屑屋がかわいくて魅力的だから、
古典らしいギャグもハマってバンバンとウケる。
人情噺というよりは、ドタバタ劇の傑作。

仲入り

伊藤夢葉「奇術」
三鷹でもあのムチが!と思ってワクワクしつつ登場を待ちました。
くだらない下ネタのオンパレードに時々マジネタを入れる
オーソドックスなマジックスタイル。

柳家権太楼「らくだ」
いい「らくだ」でした。
言ってみれば、なんてことないストーリーでドラマもない。
そんな噺じゃないっすか、「らくだ」って。

だけど悲劇続きの紙屑屋の情けなさに同情してしまうし、
酔っぱらってからの二人のおかしさには素直に反応してしまう。

極貧の長屋に死人と紙屑屋とならず者、
焼き場に泥酔した坊さん。
舞台も登場人物も普通じゃない。
貧乏そのものの「どん底」という世界が生き生きとしている。

すごいよなァ。

2008年10月05日

いわと寄席 市馬の日

いわと寄席 市馬の日
2008年9月26日(金)会場:シアターイワト

とっても楽しみな、いわと寄席。
年二回のペースですよね、たしか。

今回は、市馬さんの一番弟子の市郎さんが、
11月から二ツ目に昇進する(改名して「市楽」に)とのことで、
たっぷりな開口一番だったようです。
例によって遅刻して聞いてないんですよね。
開口一番:柳亭市朗「悋気の独楽」

柳亭市馬「道灌」
「道灌」は前座さんが良く演る噺ということで、
退屈なこともあるんですけど、そこはそれ。
看板の噺家さんが演ると、こんなにおもしろい噺だっけ?と
言うくらいにおもしろい。

「ご隠居が(喋り続けて)口が渇くだろうから、
あたしがちょいちょい口をはさんであげてる」という八五郎に、
素直に「あら、それはありがとう」というご隠居。
ご隠居と八五郎の気心の知れた仲、信頼関係がうかがえるような、
不思議なんだけど、楽しいやり取り。

すぅっと安定感があって、
身をゆだねてしまうような心地よさがあるのが、
前座さんとの違いですかね。
お客さんの市馬さんへの信頼が成せる高座なのかも知れません。

柳亭市馬「堪忍袋」
抜群に面白かったのがこの噺。
夫婦げんかに堪忍袋を使い始めた場面で、
亭主の作り笑いのおかしいこと。
喧嘩の迫力と、一転してピースなムードのギャップ。
酔った寅さんが入ってきて再び、
モノモノしくなったりと展開もおもしろい噺。

仲入り

柳亭市馬「付き馬」
池袋演芸場が三階にあったころ、
前座が通りで呼び込みをしていた、
なんてハナシから吉原の若い衆のハナシへ。

とにかく、だます方の男が調子が良くて楽しい。
特大のハヤオケが出来てしまい、
持ち帰ることになるバカバカしさ。
アーくだらない、と聞いている方は
アタマが空っぽになる楽しさです。

終始、楽しくて朗らかで、
この時間がずっと続けばなァ、と思える
素晴らしい会でした。

東京マンスリー8ヶ月目

東京マンスリー8ヶ月目
2008年9月23日(火・祝)会場:ブディストホール

前回の会場アンケートの結果を発表する
恒例のアンケート・トーク。
前回の質問は「菊志んをはじめてみたのは?」でした。
「寄席で見て菊志んが気になった」という回答はうれしい、とのこと。
ほかにも珍回答を紹介するなど大笑いでした。

そして、
いよいよアンケート回収率100%を目指す、とのことで、
今回のアンケートは「菊志んの髪形について」。

古今亭菊志ん「幇間腹」
ネタおろしのこの噺。
これが覚え立てといいつつ、けっこうおもしろかった。
「イヨー」の軽薄なかけ声が楽しい一八、
人なつこそうな菊志んさんのキャラクターに、
タイコモチがけっこう合っているのかも知れない。

しかし若旦那のヒトデナシぶりが酷い。
ほんと悲劇です。

三遊亭歌る美(かるび)「たらちね」
なぜかこの順番で前座さんの登場。

古今亭菊志ん「あくび指南」
妄想にふける「湯屋のあくび」を披露したり、
見本を「一回しかやらない」とやたら強調する、
あくびの師匠の不気味さ。

あくびの稽古中に、ツレの源ちゃんを何度も呼んだり、
変化があるように工夫されてるのかな。
菊志んさんにとっては、十八番に育てたい噺とのこと。
良かったですね。

仲入り

古今亭菊志ん「文七元結」
細かい内容については語る必要もないでしょうねェ。
洒落の好きな長兵衛が頑張っておもしろいし、演じ訳が良かった。

文七を待つ近江屋の場面の冒頭、
「みなさん、もう寝ても良いですよ」に、
え?落語会の最中なのに?と真に受けてしまいました。
恥ずかしい、、、

近江屋の旦那が(もう夜遅いから)奉公人に言ったセリフなのでした。
そんなサプライズもチョイチョイあるので、あなどれません。

終演後、家で演ってる時は、もちょっとうまい、
とご自分では不満もあったみたいですね。

2008年10月03日

今週末以降発売の落語(2008年10月4日〜)

無邪気にチケット買い続けてる日々と、
なんとか仕事やりくりしてチケット無駄にしないように
頑張る日々が交互にやってくるのが不思議です。

10月3日(金)
11月18日(火)「桃月庵白酒 独演会
→会場:大田区民ホール・アプリコ 小ホール

2009年1月10日(土)「第165回府中の森笑劇場/「笑劇場特選まわり舞台」」
開演 14:00 / 開演 18:00
→会場:府中の森芸術劇場 ふるさとホール
出演:ケーシー高峰 / 柳家紫文 / 柳家権太楼 / 笑福亭鶴光

10月5日(日)
SWAクリエイティブツアー「ブレンドストーリー」
10月27日(月)開演 19:00 / 10月28日(火)開演 19:00 / 10月29日(水)開演 19:00
→会場:明治安田生命ホール
出演:春風亭昇太 / 柳家喬太郎 / 三遊亭白鳥 / 林家彦いち

10月7日(火)
三三冬噺三夜
12月15日(月)開演 19:00 ※「橋場の雪」「二番煎じ」 [ゲスト]三遊亭好楽 /
12月16日(火)開演 19:00 ※三三「福禄寿」「鰍沢」[ゲスト]桂南光 /
12月17日(水)開演 19:00 ※三三「富久」「夢金」[ゲスト]柳家小菊
→会場:紀尾井ホール 小ホール

2009年1月13日(火)「松元ヒロ ソロ・ライブ
→会場:紀伊國屋ホール

2008年09月30日

第113回 志らく一門会

第113回 志らく一門会
2008年9月21日(日)会場:上野広小路亭

開口一番:立川らく兵「真田小僧」
ロングバージョン、初めて聞きました。
なんで「真田小僧」なのか、ようやくわかった。

らく兵さんの高座で、
お上さんが出てくるのは初めてだったけど、
意外とすごく女だった。
なにが「意外と」なのか分からないですけど。
子どもが、やんちゃでイイ感じ。

立川志らら「宮戸川」
NHK新人演芸大賞の本戦に残った、と予想外のニュースに、
ちょっとだけ、どよめく会場(笑)
Wikipediaみたけど、歴代の受賞者は、なかなかすごいな。

噺の方は、ギャグもてんこ盛りで楽しい「宮戸川」でした。
お花さんの親戚は「プノンペン」にいるとのことで、
「プノンペンとは粋じゃない」と失礼なツッコミに笑った。
あと叔父さん、飲み込みの久太の「めおと!めおと!」は
バカバカしくて声出して笑っちゃいました。
ラストの濡れ場シーンはオカマの一人芝居みたいでエロくなかったな。

立川志ら乃「酢豆腐」
噺のリズムがすごいです、
ドカンドカンと凄い数の言葉で押してきます。

若旦那の変態っぷり、とくに顔が異常で
「しゃべり方よりも顔が気持ち悪い」と、自分で言い出すほど。
あと不味い酢豆腐に苦しんでパタパタする仕草は、
志らく師匠に、ちょっと似ていましたね。

終始、迫力ありました。

仲入り

立川志らべ「小言幸兵衛」
オリジナルの細かいギャグで攻めてくる、いつもの高座。
息子の名前が「ピッピ」ってなァ。
バカバカしすぎて、あきれました。
この名前の由来を説明するところがギャグになっています。

立川らく太「青菜」
「植木屋さん、、、」って「青菜」です。オォ〜です。
志らく師匠の十八番ですからね。

立川志らく「井戸の茶碗」
今日は楽屋で話す相手が誰もいなく、
ここで、はじめて人前でしゃべるので、
テンションが上がってこない、なんて言いつつ、
終わってみると素晴らしい高座なのでした。

なんとなくハッピーエンドなこの噺。
ラスト、千代田卜斎が娘を嫁に出したいと提案したことに、
感動した紙屑屋の清兵衛さんが「侍が好きになった」と語る、
オリジナルの演出があったのでした。

浪人と紙屑屋、どちらも裏街道の人物同士の心の融解というか、
通い合いというか、理解を描いたことで、
ストーリーに多面性というか、なんというか、
あらたな味わいが足されたのでした。

もちろんギャグも秀逸。

一門会もあなどれません。

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