柳家小三治独演会
柳家小三治独演会
2008年3月29日(土)会場:三鷹市公会堂

日差しは暖かく、桜も満開という陽気、
久しぶりの小三治さんです。
三鷹の駅からちょっと遠い、三鷹市公会堂へ。
(ちなみに、タクシーだと1000円ちょっと)
柳家禽太夫(きんだゆう)「蜘蛛駕篭(くもかご)」
小三治さんの会ではおなじみの禽太夫さん。
新幹線の本数が増えたから、バスの本数よりも多いとか、
枕も楽しくて落語会に来たなァ、というノンビリとした空気で、
会場の寒さも忘れそうに(忘れないけど)。
「蜘蛛駕篭」は、バタバタした江戸っ子がかわいらしい落語で、
あまり聞けないんだけど、けっこう好きかもしれない。
柳家小三治「千早振る」
登場するなり「(会場も寒いけど)楽屋はとっても寒いです」といって、
お茶をすすりながらニッコリ。
「記憶にございません」というふざけた言葉は何だ、
と庶民感情を代弁してなげきつつ。
人は知っているのに「知らないふり」するし、
知らないのに「知ったふり」をする。
でも、
知らないものを「知らないふり」するのは悪いと思うんです。
といって、フフフと笑うと、噺のほうへ。
この噺といえば、ご隠居の知ったかぶりが炸裂して、
メチャクチャなことを言うわけですが、
そのご隠居に質問しまくる職人の金さんも、
ご隠居の無知を「知らないふり」をしているフシもあり、
二人の嘘のつきあい、掛け合い、
がなんとも人間らしく、みずみずしいのです。
とても現実にはあり得ない場面なのに、
不思議とリアリティがありましたね。
これは家元(談志)の「千早振る」にちょっと似ていたなァ、
なんてことも思いながら聞いていました。
竜田川(たつたがわ)が、女乞食に身を落とした千早を突き飛ばすと、
なんとフワフワと飛んで山に当たって跳ね返ってきた、
それを突き返しては戻り・・・というSFのようなシーンも登場。
「え〜!?」という金さんに、
ご隠居が一言「女乞食は良く跳ねる」。
これには大笑いしてしまいました。
仲入り
柳家小三治(枕のみ)
今日のお客さんにお礼を言いたい、言い出す小三治さん。
「『千早振る』自体は好きな噺で、良く演るのだけれど、
今日は一年に一度あるかないかというほどデキがよかった」とのこと。
体調も会場の音響もそれほど良くないのだけれど、
すみずみのお客さんまでに声が行き渡っているような感覚で、
「全員に楽しんでもらおうと思って演れた」とのこと。
枕は、いつかも聞いた「青葉の笛」の話。
この話、好きなんですよね。
枕と言っても落語の定型のものでもないし、
かといって、ただの雑談や時事ネタじゃない、
非常に趣深く、好奇心を持って聞ける話です。
「青葉の笛」の話は「この歌には2番もあります」といって
枕が続くことになりました。
そして、もう一度。
「『千早振る』の出来が良かった」と言い出して、
「なので、今日はもう落語は演らないで終わりにします」とアッサリ。
あまりにもアッサリと言うので、妙に納得してしまいました(笑)
と言うわけで、二席目の演題は「青葉の笛」ということに。

