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2008年10月 アーカイブ

2008年10月31日

立川らく朝の真打ロード 最終回

立川らく朝の真打ロード 最終回
2008年10月26日(土)会場:明治安田生命ホール

志らく師匠のお弟子さんで二ツ目の、らく朝さん。
そのらく朝さんが真打ち昇進に挑戦するという目的で
開かれた落語会です。

よく考えると、、、
「真打ち挑戦」と「落語会」は関係ないんじゃないか、というか、
客の前でやる目的が良くわからないですよねェ。

たとえばドキュメンタリーとして面白い、というのなら、
少なくとも、その点で面白いことが
担保(保証)されている企画じゃないといけないですよね。
落語の内容に価値があるなら、別にトライアルじゃなくて良いし。
理屈っぽいですかね。
どちらにしても、家元と志らく師匠をのぞいては、
つまんなかったってことなんです。

立川らく朝「健康落語 新米泥棒」
狭心症をテーマにした健康落語。

立川志らく「小言幸兵衛」
出てくるなり「言いたいことはイロイロある」と笑わせつつ、
「小言は不快感の発露である」とか「小言には愛情がある」
なんて家元(談志)の言葉を紹介したり、
「落語は人間の業の肯定」なんて落語論もあれば、
「狐や狸がでてくる」のが落語の良いところ、と言う人もいるし、
なんてハナシをして「小言幸兵衛」へ。

幸兵衛さんという不思議な人物の魅力や変態ぶりが、
積み上がっていって、
噺が進むごとにドンドン楽しくなってくる感じです。

自分の洒落が理解されて喜ぶ幸兵衛さんが、
一転してスベりはじめるとモノ凄く怒り出したりして、
ハシャでいた前半とのギャップも、そうとうおもしろかった。

仲入り

立川らく朝「包丁」
課題としてもらった演目をたっぷり。
1時間くらい演ったのかな。

終わった後はお客さんの暖かい拍手。
美しい光景でした。

立川談志・志らく・らく朝:判定
読みたい人が居るだろうから、
珍しく細かく書いてみようと思います。
※どうせマニア向けなんです、
このエントリーに限っては特に。

まずは志らく師匠が登場、真打ち昇進について。
結果としてはNGでした。

落語については良い、動員もOK。
しかし歌舞音曲、講談の習得が未だ。
それと(大きいのが)志らく師匠、家元との価値の共有、
これが出来てないので、真打ちNGとのことでした。

演目の課題は(らく朝さんから)求められたから出したけど、
「それでは」と大変な演目を出したら、
らく朝さんが「想像も付かないリクエストをされた」という
反応をしたのも不満。
噺家なら「三軒長屋」「黄金餅」「源平盛衰記」や「包丁」を
いつかカッコ良く語りたいと思うはず。それがない。
家元や志らく師匠が好きな映画や流行歌についても語れない、
このまま行くと立川談志や志らくと無関係な芸人になる、
ドサ回り芸人のようになってしまいそうで心配。

もう真打ちトライアル興行はやめて、
課題がクリアされたら真打ちとして紹介する、
とのことでした。

そして家元の登場。
「お前の弟子なんだから、したいようにすればいい」とのこと。

「包丁」は円生師匠のモノ。
オレもソコソコのモノは創ったけど、なんてハナシから、
家元の近況について。

声が出ない、喉頭ガンで治療している、
医者は90%治ると言っている。
いまの自分の状態で新しいモノを創る気力がない、
もう任せた、という感じ。2年前で良かった。なんて言いつつ、
「小噺を演ります」といって、
病院のジョーク(満足に屁もさせてくれない)と、
クリスティーナの無人島のジョークを披露。

声が出ないからニュアンスが出ない、と愚痴る家元に、
今ので「包丁」がぶっとびました、といって感謝する志らく師匠。
もちろんお客も感謝です。

家元は、とにかく狂いそう、薬と、医者に止められてるアルコールを、、、
と言ったところで志らく師匠が「そこに医者(らく朝さん)が、、、」

気づいた家元が、らく朝さんにあやまるように御辞儀する、という
キレイなオチが付いたのでした。

家元がジョークをはじめてくれたときは、
なんとも言えない幸せな気持になりましたねェ。
ほんと優しいなァと、思ったんです。

SWAクリエイティブツアー ブレンドストーリー Part.3

SWAクリエイティブツアー ブレンドストーリー Part.3
2008年10月28日(水)会場:明治安田生命ホール

春風亭昇太、三遊亭白鳥、柳家喬太郎、林家彦いち
による創作話芸アソシエージョン(SWA)の公演。

それぞれの新作落語が少しずつリンクする
「ブレンドストーリー」の第3弾。
今回は「願い」をテーマにした、一つの物語を創ります。

柳家喬太郎「プロローグ」
緞帳が上がると喬太郎さんによるプロローグ。
ラストの噺につながる病室の場面です。

林家彦いち「かけ声指南」
ムアンチャイ君の冒険物語。
この噺、不思議な魅力がありますよね。
ムアンチャイという青年のピュアネスが魅力的なのかなァ。

彦いちさんのネタでは、おなじみのネタですけど、
ブレンドストーリーならではの仕込みがしてあります。

三遊亭白鳥「奥山病院奇譚」
荒唐無稽というか、もう、凄すぎる白鳥落語。
ギャグがウケないと、イチイチちょっと悲しそうなのがかわいい。

春風亭昇太「空に願いを」
雨乞いを生業としてきた
雨宮家の小学生・降太(フリタ)が活躍。
運動会が中止になるように雨乞いしてたら、
筋力がついて徒競走で一等になるってマンガみたいなハナシ。

短いんだけど、わかりやすいドラマも落ちもあるし、
パワーがあって面白い、かっこいいなァと思いました。

柳家喬太郎「カラダの幇間(たいこ)」
主人公がタイコモチということもあって、
新作なんだけど古典の匂いがする一席。

病気がちで手術を受けたまま、
目を覚まさない少女を助けようとする、
タイコモチの一八。
かわいい孫にとりついてしまった爺さんを
ヨイショで成仏させようとする、って書いても
意味が分かりません(笑)

チョイチョイ「愛宕山」パロディの
ギャグが入ってきて大笑いしたなァ。

そして全体のストーリーが、いよいよ佳境に差しかかります。

これまでの噺に登場した「願い」が
少しずつ奇跡に繋がっていく。
素敵なハナシでしたね。

勢いのある新作が続いた後だからか、
古典っぽい語りのリズムも含めて心地良いし、
バカバカしいんだけど大団円のラストも、
ビシっと決まってトリらしい一席。

「愛宕山」とか「幇間腹」とか、
ずいぶんと古典落語ファン向けのギャグが入ってたんだけど、
すごいウケてるんですよね。

みんな好きなんだなァ、と思いました。

2008年10月30日

今年もあります!にぎわい座カウントダウン

去年一昨年と出かけている
横浜にぎわい座の大晦日「新年カウントダウン寄席」。
今年もあるみたいです。
大晦日の20時くらいから、新年の0時まで、
落語や漫談や長唄ですごします。良いモンですよ。

今年については、例年と同じく志の輔さんのトリと、
生志さんの出演は決まって居るみたいですね。

今年は行くかなぁ。

去年のトリネタが「はんどたおる」だったんだけど、
たぶんわかりやすーい古典の大ネタの方が
カウントダウンって感じですよねェ。
だって紅白だったらサブちゃんとかのポジションですよ。

ただ、落語の後ご陽気なカウントダウンがあるからなァ。
「よっかったねー文七が元結屋になって」みたいな気持の後に
クス玉割るってのもちょっと微妙かもナ。

11月22日チケット発売みたいです。

東京マンスリー 九ヶ月目

東京マンスリー 九ヶ月目
2008年10月25日(土)会場:ブディストホール

週末の築地本願寺って結婚式なんかもやってますよね。
ちょうどそんな光景を横目にみつつ、正面右のホールへ。

開口一番:柳家小んぶ「道具や」
ぼくとつフェイスで淡々とした開口一番、
きっちりと前座の仕事をする、小んぶさん。
暖かいお客さんのせいか、まぁまぁウケてましたな。

古今亭菊志ん「目黒のさんま」
土曜の昼間ということで、月〜金の疲れが出ていたのか、
みょうにウトウトしながら聞いてしまいました。

ソレはソレで心地良いんですよねぇ。
これ、僕なんかより、もっと落語聞き倒してる人には、
分かってもらえるんじゃないかと、、、そんなことないか(笑)

殿様がちょっとだけバカ殿っぽかったけど、
ヤリすぎてる感じもないし、芝居(演技)しまくる場面もないので、
ダレなくてカラっとした明るさのある一席だったと思います。

「ネタおろしにしては良かった」とはご本人の談。

古今亭菊志ん「小言幸兵衛」
冒頭、長屋をまわって小言を言いまくる幸兵衛さん。
小言が好きで止まらない、あまりにも長くてくどいのは、
単にヒマな人だからって言うのもあるんでしょうかね。
こういうセンスが好きなんだよなァ、
人物をデフォルメするような演出を足して、
古典のテイストを生かそうとするっていうか。

んで、小言の方は「まだ言うか!」と
こちらが2,3度思ったところで、
ようやく家に帰ってきて噺のはじまり。
家に帰る前が「小言念仏」かと思うくらい長かったです。

そんなわけでエネルギーあふれる幸兵衛さん、
わりと若くてイキのいい姿を想像しましたね。

仲入り
実は、恒例のアンケートトーク
(毎回、客からのアンケート結果を発表)は
仲入り中に移動したのでした。

どうやら一部から不評だったらしく、
「仲入り中なら文句ないでしょ」とのこと。

そしてテーマが白紙だった今回アンケートは、
「さきほどの「小言幸兵衛」、幸兵衛のキャスティングをするなら、
有名人・芸能人なら誰を選ぶ?」ですって、おもしろい。

古今亭菊志ん「紙入れ」
菊志んさんの噺では好きな作品です。
スピード感ある展開、細かい芝居(ギャグ)で笑いをもぎ取っていく、
寄席の出番で聞いたことがあるけど、
短い時間で印象を残すには効果的ですよねェ。

エロ恐いお上さんと、そのお上さんを恐れながらも、
欲望には逆らえない新吉。その割には純情ぶっていて、
子どもっぽい感じです。
そして旦那は徹底してマヌケで、ほぼ良いところなし。

この日も、もっと聞きたいなァと思える高座でした。
来月の「東京マンスリー」は行けないんですよね。
残念です。

2008年10月28日

Googleトレンドで落語について

Google トレンド(試験版)の提供がはじまったので、
落語ってネットで検索されてるのかなー、という話題。

Google トレンドというのは、
あるキーワードの検索数が
どんなふうに推移したかをグラフで見たりできるモノです。

たとえば、ありそうなキーワードを羅列してみると、
談春 談志 志の輔 小三治 寄席

噺家さんについては、それぞれ話題のあるタイミング
(「歌舞伎座」やらNHKの「プロフェッショナル」やら)で
検索数が増えるでしょうけども、
家元(談志)はずっと関心が高いのがわかります。

あと「プロフェッショナル」の時の
「小三治」キーワードの上昇は「寄席」も押し上げてますね。
立川流のトピックは当然、「寄席」とは無関係。

んで噺家さんの名前と違って
「寄席」で検索するのは、もっと普通の人、
落語とかって聞いてみたいなーって人ですよね(たぶん)。

その普通の人が検索してそうな
落語的キーワードを比較すると、、、
落語 笑点 小朝 正蔵 寄席

驚くことに「落語」を「小朝」が抜いてる時期がありますね。
ま、ただの検索数ですけど。

あの離婚会見って、
よっぽどインパクトあったんですかね。

2008年10月27日

志の輔らくご21世紀は21日 (2008年10月)

志の輔らくご21世紀は21日 (2008年10月)
2008年10月21日(火)会場:明治安田生命ホール

会社出る直前に、チケット発券してなかった!と気づく始末。
数が多いとコンビニ発券も面倒ですねェ。遅れて到着。
(聞けなかったのは開口一番:立川志の八「高砂や」

会場についてロビーのモニターを見ると、なんと談春さんが。
そうとう驚きました。
この日の「開口一番その2」なんだそうですが、
登場したときの盛り上がりはすごかっただろうなァ。

立川談春「宮戸川」
噺の途中から。とにかくバカウケです。

談春さんのネタで初めて聞いたのが、この噺でして、
イイノホールだったと思うけど、こんなにウケてなかったと思うし、
自分でも、そんなに笑ったような記憶もないんですよね。
たった2年とかの間に、ものすごく変わるんですなァ。
(こちらが変わったのかも知れないけど)

レイガン島の老夫婦の面白いこと、
漫才かコントかというくらいに、
バアさんがボケて、ジイさんがツッコム。
お客をモテなしまくる、ボケまくりぶり。
けっこう圧巻という感じでした。
お客さんも会場も良いのかな。とにかく驚きました。

立川志の輔「茶の湯」
「いきなり楽屋に来て、出してくれとストレートに言う、
談春のキャラは貴重」なんて言って笑わせる。

長野の戸隠(とがくし)でのそば祭りと、地元の落語会の話から、
「茶の湯」へ。

志の輔さんの、この噺がとにかく面白い、と
いつか母親が言っていたので、大期待だったんですが、
自分のコンディションがイマイチで、
あんまり集中して聞けなかったのです。

ムクの皮を入れましょう、なんてトコで、
「ムクノカワ?なにそれ?」と思考ストップさせないよう、
丁寧に説明する。こういう積み重ねが、
ラストの爆笑の連続をつくるんですよねェ。
スキなさ過ぎ、です。

松元ヒロ「今日のニュース」
ヒロさんの念願、麻生総理の誕生を喜ぶかのごとく、
ニュースは麻生・麻生。とにかく笑えます。

アナウンサーによって、ヒロさんの表情や動きも、
絶妙に違うのは、いつも通り。
そして最近はじまった、謎のお便りコーナー。
このホノボノとした不思議さはクセになります。

ビックリするくらい笑ってる人がいて、
ステージのヒロさんもビックリしてましたが、
まァ笑えるってのは良いことです。

立川志の輔「帯久」
めずらしく枕もなく噺の方へ。

いわゆる、良かったね、という政談モノの噺ですが、
初めて聞くんです。
これが「帯久」かーと先を気にしながら聞く感覚。
筋書きの分からない噺を聞く楽しみも好きなんですよね。

ハナからサゲまでピシーっと筋が通っていて、
わかりやすくて、サゲまで聞いたあと
ハァとため息をついて、帰り道は上機嫌で帰れる、
なんていう典型的な「志の輔らくご」。
長いけど、その分お腹いっぱいで帰えらせてくれますね。

毎回、ほぼ必ず当日券が出ますので、
みなさん定価で聞きに行きましょうね(席は多少良くないけど)。

2008年10月25日

横浜にぎわい座の十二月興行

横浜にぎわい座の十二月興行、
つきなみですが、一年早いもんですね。

12月1日(月)
立川談春独演会
演目未定

12月3日(水)
第二回 鯉昇・平治二人会
瀧川鯉昇「二番煎じ」ほか一席、桂平治「幾代餅」ほか一席

12月4日(木)
柳亭市馬独演会
柳亭市馬「二番煎じ」ほか、菊地まどか(浪曲)、沢村豊子(曲師)

12月6日(土)
柳家権太楼独演会
柳家権太楼「芝浜」「一人酒盛」、柳家ほたる、ホームラン(ゲスト:漫才)
→年末と言うことで「芝浜」!これは期待ですね(聞いたことないから)。

12月7日(日)
天下たい平

12月8日(月)
志の輔noにぎわい
→これだけ11月10日発売。今年は年末のカウントダウンはあるのかな。

12月9日(火)
立川生志独演会「ひとりブタじゃん」

と、気になるものだけピックアップしました。
相変わらず豪華な番組ですね。

その他の公演や、細かいことなど公式サイトで確認してみてくださいませ。
チケット発売は11月1日です。

第114回 志らく一門会

第114回 志らく一門会
2008年10月19日(日)会場:上野広小路亭

しばらくサボらずに通っています、志らく一門会です。

開口一番:立川らく八「粗忽の釘」
開口一番が「粗忽の釘」とは、すごい会だァ。
細かく入ってくるギャグがおもしろかった。

立川らく次「湯屋番」
志ららさんのNHK新人演芸大賞、本戦出場の話題から。
その予選でらく次さんが演って、まったくウケなかったという噺。
シュっとした語りが得意なのかと思っていたら、
ずいぶんと面白い噺家さんなのだなァ、と改めて思った次第。
とか、上から目線ですいません、お客なのでね。
勘弁してください。

立川こしら「あくび指南」
たまに一門会に登場する志らく一門の総領弟子。
落語がね、年に一回くらいしか聞かないけど、笑っちゃいました。
他の、お客さん大喜びしていたな。

仲入り

立川らく里「目黒のさんま」
殿様・大名の暮らしを説明する、丁寧な枕から。
シンプルで良かった。
目黒でトンカツを食いたがる殿様に、
「古典落語です」とたしなめる側近が笑った。

立川志ら乃「長短」
「平将門展」と秋葉原駅前での
偶然の出会いについてのハナシなどなど。
フリートーク、一番面白いですね。

ネタは、気の長い方がタメまくるのがおかしかったんだけど、
最後はちょっとウトウトしそうになっちゃいました。
といいつつ、ここまで一番面白いのが志ら乃さんです。

立川志らく「紺屋高尾」
翌日、高崎の「葡萄屋寄席」で家元(談志)と一緒になるけど、
いつになっても師匠の前での落語は緊張するのだそう。

「独演会(10月14日「志らくのピン」)で演ったばかりなんで、
そっちも来た人には申し訳ないけど、明日演る予定の噺」とのこと。
(ホントは「粗忽の釘」のつもりだったけど、ネタ帳みたら、、、とも)

この前よりも、ブラッシュアップされているというか、
スッキリして完成度が上がっているというか、
より集中して聞けました。こちら(聞く側)の問題かも知れないですが。

ただスピードが少し速いような気がして、
もしかして師匠、クライマックスシリーズ(中日VS阪神)が
気になるのかな?とも思ったんですが、
それもこちら(というか僕)の問題かも知れません。なんつって。

「現代に置き換えると、
単なるストーカーの男という感じになってしまうのを
工夫している」ということで、
久蔵は、マジメだけど、少しバカというか、
わりと普通の男の子なのでした。

そして高尾の方も感情をあらわにして、
素直な言葉で語るなど、この噺の謎(なんで高尾が惚れたのか)を
ドラマの中で解決しようとするようなシーンが新しいのでした。

独演会「志らくのピン」のチケットが
だんだんと取りにくくなっている昨今、貴重すぎる落語会です。

2008年10月24日

第353回 花形演芸会

第353回 花形演芸会
2008年10月18日(土)会場:国立演芸場

朝日名人会が終わって、丸ノ内線で赤坂見附。
坂をあがって国立演芸場へ。

開口一番:立川こはる「真田小僧」
体力温存のためにロビーで聞く作戦を敢行してみました。
落語会のハシゴにも工夫が必要な気がしてきました。

イキイキとして高座でしたね、
モニターでもわかるくらいだから、おおいにウケていたなァ。
楽しく演れたんじゃないでしょうか。

一龍齋貞橘「荒木又右衛門」
ハンサムな講談師の貞橘さん。
落語の中に出てくる講談は良く聞くけど、
ホンモノの講談師は、たまぁーにですよね。
「キ●タマ」のくだりで、素直に笑ってしまいました。
全編リズムが心地よかった。

古今亭菊之丞「天狗裁き」
昼間も聞いた菊之丞さん、
まるで追いかけているかのようですな。
安定して面白い。

カンカラ「時代劇コント」
クライマックスのチャンバラシーン、
木のイスやら刀なんかを使っての、
定番のアクションで鉄板の面白さ。
そうとうクダラらないけど、こういうのをキッチリ決めてくれる、
寄席の色物のすばらしさだなァ。
やっぱ楽しいですよね。

立川談春「百川」
「ここで談笑(の登場)ならハナシは別だけど、
今日は落語会でしょ」と、
一見、意味ありげで意味不明なことを言って噺の方へ。

噺の方は「粗忽の使者」「宮戸川」「棒鱈」なんかと同様、
談春さんの「おなじみのお笑い」として演る演目ですね。

こういうネタがどんどん面白くなってる気がします。
自分的に、ですが。

仲入り

谷岡百合恵「奇術」
「誰でも道具がなくて出来るマジック」というコーナーが良かった。
かんたんにアっと驚ける、マジックって楽しいな。

あと、あの「すり抜けたり繋がったりする大きい輪」
なんですが(わかります?)、アレほんと不思議。
ぜったい種は知りたくないです。

ふくろこうじ「クラウン」
仲入りで随分と客が帰ったのが意外でしたねェ。
家元(談志)が絶賛している、ふくろこうじさんが生で見られるのに。

中盤以降、ステッキとボックスの芸が凄かった。
久々の高揚感(て、イツモ書いてる気もするけど)。

次はいつ見られるんでしょうか。

入船亭扇辰「妾馬」
「仲入り中くらいに会場に着いたけど、
会場から駅に向かったお客を見た、その辺だなー(と空席を指さす)」
とかいって会場を一つにしてしまう扇辰さん。

噺の方は、最近こういうシンプルな
「妾馬」を聞いてなかったな、と思った一席でした。
人情噺というよりは、八五郎が屋敷でドタバタするおかしさや、
その中で一瞬見せる母親(とか家族)への情とか、
シンプルでメリハリがあって良かった。

ただ、まだまだ発展途上な部分もあるのでしょうかね。
そんな「妾馬」が6時間30分にも及んだ
ハシゴディのシメなのでした。

2008年10月22日

第八十三回 朝日名人会

第八十三回 朝日名人会
2008年10月18日(土)会場:有楽町朝日ホール

国立演芸場の花形演芸会との
ハシゴが決まっていたので、
贅沢なのですがチョットノンビリ出かけることに。

会場に入ると菊之丞さんが高座に上がったあたりで、
仕方ないのでロビーのモニターで聞きました。

(聞けなかったのは、
開口一番:三遊亭歌ぶと「転失気」
朝日名人会の開口一番は最後かも、と言う発言もあったとか。
二ツ目、真打ちでまたあがってほしいモンです。
三遊亭金兵衛「目黒のさんま」
こちらも評判良かったみたいで、やっぱもったいなかった。)

古今亭菊之丞「湯屋番」
前座さんの寄席での給金は一日●千円!?というココダケのハナシから、
話題は前座さん以前の「見習い」時代へ。
食事と掃除、稽古をしたら家に帰ってゴロリ、
という生活を居候になぞらえて噺へつなげます。

「御膳の地盤チンカ」
「忠臣蔵笑い(鼻でフン忠臣蔵)」
「腹ン中がシケ」なんて楽しいフレーズがリズムにのって
ポンポン飛び出してくる楽しさ。
「エントツ小僧ススノ助」では中手(拍手)も
起きるほどの盛り上がり。

あと若旦那の妄想シーンもたっぷりで、
女中のお清は歯が抜けているのには笑ってしまった。

柳家喜多八「粗忽の釘」
いつも通り、ダルそうに登場する喜多八さん。
しかし落語がはじまると一変、
明るい粗忽モノのキャラクターが最高に良かったです。
ダレそうな前半も楽しいまま疾走、
江戸中を歩いて回って帰ったら、いつものクライマックスです。

驚いたのは釘の出てくる場所で、なんと股間です。
「ずいぶんと威勢のイイ、アミダさんですね」だって。
これは凄い。

仲入り

桃月庵白酒「五人廻し」
「音の響きが体によさそうに思える」なんてメラニンのハナシ。
あと赤線廃止50年ということで、
白酒さんの師匠・雲助さんが国立演芸場で廓噺を演っているハナシから、
廓が舞台の「五人廻し」へ。

普通の男、侍、相撲取り、若旦那が
次々と登場する廓のスケッチ。
登場するごとに人がドンドン変態になっている感じがして、
そうとうおかしかった。
5人目の男は、「お見立て」のお大臣みたいだったな。

遊び場の見栄と本音(というかセコさ)みたいなものが、
イキイキと伝わってきたし、いわゆる吉原の若い衆のキャラも
白酒さんにハマっているのかもなァ。

桂文珍「算段の平兵衛」
上方落語協会を相撲協会になぞらえた枕がおもしろい。

「ニョウケンサしましたが、全員が糖尿でした」とか
米團治襲名興行で「50万もらったので下手に落語を演った」とか、
おもしろいハナシと、時々でる「グフッ」という一人笑いで、
会場全体を鷲づかみにしています。

噺の方は、ドラマ「ちりとてちん」で、
良くエピソードが出てきましたね。初めて聞きました。

噺自体は、そんなに面白いという内容じゃないけど、
ギャグ満載で楽しく聞けましたね。

それにしても今回は中盤以降、なかなか豪華でした。

2008年10月20日

年末年始、都内の立川談春

まァ別にオフィシャルサイト見ればいいだけのハナシですが、
ネタ出しされてるのが面白いなと思ったので、書いてみました。

ネタ不足じゃありません、って書いたら、
そう言ってるように聞こえてしまうかも、、、

有楽町噺小屋 銀座ブロッサムスペシャル!
睦月の独り看板 立川談春独演会

2009年1月9日(金)会場:銀座ブロッサム
演目:「妾馬」ほか
チケット発売: 11月18日

立川談春独演会
12月17日(水)会場:有楽町よみうりホール
演目:「文七元結」ほか
売り切れ

立川談春独演会
12月1日(月)会場:横浜にぎわい座
演目:未定
チケット発売: 11月1日

よみうりホールもブロッサムも大きい会場ですからねェ。
にぎわい座で是非聞きたいですね。

未定となってる演目は何でしょうかね。
予想して当たったりしたら面白いけど、なんとなく野暮なのでやめますー

チケット争奪的に言うと、NHK「プロフェッショナル」の影響か、
小三治さん関係が難しくなってくる気もしています。ご注意を。

2008年10月18日

長講三人の会

長講三人の会
2008年10月15日(水)会場:練馬文化センター

一週間たたずに再びやってきた
練馬駅前の静かな会場、練馬文化センターです。
イスがちょっと大きめで、
お客さん通しの間隔が(比較的ですが)空いているので
見やすい印象があります。

会社から遠いので開演30分くらいで到着。
(聞けなかったのは、柳家右太楼「元犬」

昔昔亭桃太郎「お見立て」
聞いたのは、枕が終わって噺の序盤から。
たぶんハナから聞いていると、ずいぶん違うんだろうなー

しかしどうやったら、あんな落語が出来るんだろう。
久しぶりに聞いたけど、
あまりのワン・アンド・ジオンリーぶりに驚いてしまった。
なんべんも同じ事で驚いてるかも知れないけど。

年末(12月の「桃太郎トークショー」)は「鰍沢」をネタおろし?
こりゃニュースです(一部で)。

柳家権太楼「粗忽の釘」
旅に出た話、礼文島だったっけな。
一門でフィリピンに出かけたとか、楽しそうだなァ。
実際わからないけど。

噺の方は、今日も「粗忽の釘」でした。
集中して演ってる感じですよね。
これは十八番になるのだろうなァ。おもしろいものなァ。

前半はちょっとギャグが少ないのか。
後半に入って、引っ越したあとの粗忽+お上さん、
近所の人のリアクションには、大笑いの連続です。
楽しいですね。

仲入り

柳家さん喬「福禄寿」
秋は季節の中で景色が移り変わりますねェ、とか、
ススキを家に置くとなんとも良い、とか、
(こんな風に書いても伝わらないんだけど)
なんとも美しい言葉を紡ぐさん喬さんの枕。

その昔、東横落語会で三遊亭円生が演っていた、
という「福禄寿」へ。

いいハナシなんだけど、落語にしては説教くさいような、
そして意外と短い(というかあっけない)ような、そんな噺でした。

しかし、そこは、さん喬さんが演るということで、
たとえば、玄関を開けると
吹き込む雪と一緒に家に入ってくる兄の姿。
寒さと情けなさを同時に背負ったよう、
その表情だったり、もうね、たまらんのです。

不思議さと、楽しさと、人情と、
盛りだくさんの「長講三人の会」。

余韻が残るような、素敵な高座でお終いなのでした。

2008年10月17日

志らくのピンPartIII 古典落語編

志らくのピンPartIII 古典落語編
2008年10月14日(火)会場:内幸町ホール

雨の中、珍しく「ハナシのわかるタクシー」に乗れて、
開演5分後くらいに到着、これは良いことがあるモンだ。

開口一番:立川らく次「くっしゃみ講釈」
お、この前の一門会でも聞いたネタだ。
おもしろいけどなァ、客が笑わんなァ、と思っていたら、
終盤でブホブホっとウケはじめる。良かった。
たぶんシャイな客なのだ。

立川志らく「親子酒」
枕は、三浦元社長の話とか、相撲の八百長の話。
あとFMWの裏側、とか(なんのこっちゃ)。
サケ飲みのハナシとして、かつての兄弟子、
朝寝坊のらくさんのハナシを。

立川企画の社長に「サケやめろ!」と言われ、
「いつまで?」を聞き返してしまったのは、
サケ飲みの了見を良く表している、だって。

「親子酒」ひさしぶりだけど、
相変わらずおもしろかったですねェ。

変えメロディシリーズの新ネタ、
悲しい歌(題名忘れてしまった)を沢田健二の
「TOKIO」のメロディで歌う、という隠し芸。
ワンコーラス歌いきった父親にお客は拍手を送るのでした。

立川志らく「狸」
狸の出てくる噺「狸の札」「狸の鯉」「狸の賽」を
つなげて一つの演目に、とのことで、
突然のことにビックリしたのもつかの間、
捕まった狸を助ける、発端が始まるのでした。

たしかに、志らく師匠の「狸」は初めて見るなァ。
しかも3つも立て続けに聞くとは。

仲入り

立川志らく「紺屋高尾」
同じ噺なのにタイトルと登場人物が違う「紺屋高尾」と「幾代餅」。
「紺屋高尾」が三遊亭(円生の型)、「幾代餅」は古今亭、
という違うがあるとのことです。

柳家にはなかったこの噺を、家元(談志)が、
講談の一龍亭貞丈から教わり、談春さんがソノママ演って、
花緑さんにも教えたとのこと。
たしかに、花緑さんのもソノママでしたね。
(悪いとは言ってないですよ)
キメの「久さん元気?」は志の輔さんも一緒。

しかし志らく師匠は、金原亭馬生(先代)へのオマージュとして、
これまで「幾代餅」を演っていたので、この日が初演なのでした。

そういえば、志らく師匠の「幾代餅」といえば、
2006年夏に所沢寄席で一度聞いたきりで、偉い昔に感じますなァ。
たった2年前のことなのに。

序盤、久さんも、親方も、お上さんも寄ってたかってのギャグが、
相変わらずの志らく師匠らしい展開です。

そして忘れちゃ行けないのが、
全編に渡る、語りのリズムとメロディの心地よさ。
素晴らしかったなァ。

そして後半。
比べることに意味があるかわからないですが、
饒舌すぎる談春バージョンにはない、
語らない演出とでも言えばいいのでしょうか、
「言葉はいらない」という、その約束のシーンに、
図らずもグっと来てしまったのは、
志らく師匠マニアだけではないでしょう。

そしてサゲが素敵でした。
このサゲは素敵すぎて、みんな真似するんじゃないか。
真似した方が良いですね。

2008年10月16日

談笑月例独演会(2008年10月)

談笑月例独演会(2008年10月)
2008年10月13日(月・祝)会場:お江戸日本橋亭

相変わらず濃い目なお客さんでギュウ詰めな会場です。

立川談笑「宿屋の仇討」
談笑さんによる古典の改作といえば、
たいてい古典がブッ壊されるのには理由があるんだと思うんけど、
この噺はたいして感じなかったなァ。

侍は前夜「駆け落ち者」が発端の乱交パーティに参加して、
グッタリしていて、
となり部屋の江戸の三人組も一緒にまぐわっていたとか。
クダラないなァと笑っちゃいます。

「この三人は江戸に戻って悪さをする」と言って終わります。

立川談笑「錦の袈裟」
絶倫でバカという、まーひどい与太郎が出てきます。
そんな与太郎を受容できる世界は、狂ってますねェ。
これも笑ったなァ。
特に住職の慈悲深い表情に笑ってしまった。

始終ベトベトの与太郎に「なんで私がアンタと一緒になったのか」と
落語世界の不思議を自ら吐露する与太郎のお上さん。

絶倫の与太郎の部屋に泊まった女郎はナント20人以上。
その中から一人、与太郎について吉原を抜けてきた女。
それを見て、お寺の住職が「奇跡だ」と声をかけて
「後半に続きます。」
なんだか意味ありげだなー、という終わり方。

仲入り

立川談笑「宮戸川」
なぜかヤンキーのお花が暴走しながら、
「宮戸川」風の落語が展開。

ボロボロのお花を本気で嫌う半七、
やがてはじまる二階での情事、ドンドン進んで、
どこまで行くんだーとなったら、
それは下の階の老夫婦のハナシだった。
これには爆笑でした。

そして「宮戸川」の下(にあたる新作)。

お花は「宿屋の仇討ち」の三人組に吉原に沈められたのでした。
そうとは知らず、お花は死んだものとあきらめる半七。
その三回忌の日に与太郎が、住職の錦の袈裟を返しに来て、
それに付いて吉原からお花が帰ってくるのでした。

それで住職が「奇跡だ」と言ったわけですなァ。

このラストに気づいて、
思わず「あっ!」と言ったお客さんが居たけど、
気持わかるなァ。かなりビックリした。

ちょっとだけ、
シネマ落語 マイ・フェア・レディ」を
思い出したのは、ぼくだけですかねェ。
まァ「錦の袈裟」が絡んだアナザストーリーということしか、
共通点はないですな。

しかし「錦の袈裟」の与太郎って、
他の噺よりちょっとカワイイですよね。

2008年10月14日

立川流落語会・大吉ら

立川流落語会・大吉ら
2008年10月11日(土)会場:あうるすぽっと

最近は初めての会場だと、たいてい道に迷います。
池袋はとくに駅の混雑と不案内さ。

東池袋4丁目の会場に行くのに池袋4丁目に行ってしまい、
まるで逆。気づいたのは開演2分前。

いそいでタクシーに乗ったら、
道も知らなければカーナビも使えないタクシーで、
もうさんざんでした。
(そんなわけで、開口一番:立川春太「十徳」は聞けず)

立川吉幸「船徳」
もとブラック、現在は談幸門下の二ツ目さん。
キレイな「船徳」でしたね。
噺の途中なので会場の後方で立ち見していましたが、
いわゆる談志ファン、演芸ファンという雰囲気じゃない客層。
みんな広小路亭に行ったのかな、雰囲気が違います。

立川談大「持参金」
談志門下の二ツ目さん。

立川志らら「壺算」
志らく門下の二ツ目。
お得意なネタですが、家元(談志)は到着していない、とかで、
落語は聞いてもらえなかったよう。
家元の到着が遅れているので、
急遽、鏡味正二郎さんを呼んでいる、とか。

仲入り

鏡味正二郎「太神楽曲芸」
というわけで、正二郎さんの登場。
この人、華があってなおかつ曲芸もちゃんとしている。

演芸慣れしていないお客さんが、
「お〜」とか「きゃ〜」なんて歓声を上げて喜んでいて、
すごく楽しい気分になりました。

みんな曲芸とかマジックとか好きですよね。

立川談志(ジョーク)
出囃子の「木賊狩り」が流れると、
すこし空気が固くなる会場。

だいぶして、すこしだけふっくらした印象の
家元が満面の笑顔で登場です。
いつも通りの丁寧なお辞儀のあと、
声を出さずにジャスチャーだけで、
小噺のようなモノ(一生懸命説明している人と、
手をひろげて「なんで?」と聞いている人の会話)をはじめる。

声帯がすり合わないから声が出ない、というようなことを
一生懸命ジェスチャーしているんだけど、
これがけっこう長くて、
ほんとに声が出ない(出しちゃいけない)のに高座に上がってる?と
本気で心配になってしまいました。

ひとしきりして突然「わかったァー?」の一言、
緊張感から解放されてドっと沸く会場なのでした。

「(今日の主役たちの)自分たちの会をやりたい、
という気持を買って、ここまで来たけど、
今日は顔出しただけで勘弁してください。」
と言った時の家元の申し訳なさそうな、悲しそうな表情に、
すごくときめいてしまったです。

(元横浜の監督の)権藤を信用していて、
すこし前に「阪神はひっくり返される」と言っていたけど、
その通りになった、とか、
ロス疑惑の三浦元社長のハナシなどをして、
「初めての人も多いだろうから、分かりやすいヤツにするね」と、
やさしさ満点。病院のジョーク、レストランジョークを披露してくれました。

途中、ジョークがバシンと決まって、ニッコリとOKサインを出したり、
話すほどに上機嫌な家元が印象的でしたねェ。

笑顔が素敵な家元に再会できて幸せな一日でした。

「オレが禁酒しただけなんだよね」のジョークが決まって、
終わりとなったのですが、袖にいた「大吉ら」を舞台に呼んで、
「おしゃべりなんだから自分の会がやりたいに決まってる」
「落語家A,B,Cです」なんて言っておしまい。

志ららさん、いつも見ないほど緊張した顔してたなー

2008年10月12日

市馬・喬太郎 二人のビックショー

市馬・喬太郎 二人のビックショー
2008年10月10日(金)会場:練馬文化センター

昨年に引き続き、二人のビッグショーに行ってまいりました。
久しぶりの練馬文化センター、練馬駅から徒歩5分くらいです。
寒空はだかさんの演目中に到着、受付の方に、
いま何やってますか?と聞くと「はだかです」とのこと。
間違ってない(笑)
(なので聞いてないのは、開口一番:柳亭喬の字「長短」

寒空はだか「歌うスタンダップコミック」
到着したのが終盤だったので、ほとんど聞いてないんですけどね。
「東京タワーの歌」では、手拍子がおきて、大盛り上がり。

柳亭市馬「鼠穴」
「たわーたわー」で盛り上がってくれると、こちらも演りやすい、と
いつもの笑顔でご挨拶。
そろそろ紅白の出演者の発表でドキドキしている、
なんて言いつつ噺の方へ。

シンプルな「鼠穴」でしたね。
でも実は、そう言えるほど沢山聞いていない噺です。
混じりっ気がない分、ただただ「夢だった」という、そんな落語でした。
ぼく的には満足ですね。

仲入り

千代馬・千代衿「音曲漫才」
市馬さんと恩田えりさんによるコンビです。
プログラムによると、松鶴家千代若・千代菊師匠の完コピとのこと。
ビックリするくらい伸びやかな声に、
途中ちょっと泣きそうになっちゃいました。
「いやねェ」と千代衿さんのボヤキツッコミがみょうにおかしかった。
ドドイツも良かった。

柳家喬太郎「双蝶々」
枕もホドホドに噺の方へ。
世田谷パブリックシアター「喬太郎伝説」で聞いて以来ですね。

序盤はサクサクと編集してます。
長吉の盗みの場面には、なんと「鼠穴」の竹二郎が登場。
っていうか、夢の話だったんじゃないだろうか(なんて言うのは野暮ですか)
これ笑ったな。すごいです。

丁寧で人情たっぷり、笑いも少ないかわりに、
客席もギュッとなるような緊張感あるドラマで聞かせてくれます。

「雪の子別れ」吾妻橋の上で雪が降りました。
世田谷ではバックのスクリーンに雪が映ったりしたけど、
ちょっと変だったし、やはり屏風の前がいいなァと思いましたね。

父子の別れ、母子の融解の場面、泣かせますねェ。

2008年10月08日

第九回 特選落語会〜権太楼・平治・菊志ん これが落語の底力〜

第九回 特選落語会〜権太楼・平治・菊志ん これが落語の底力〜
2008年10月4日(土)会場:深川江戸資料館小劇場

開口一番:柳家小んぶ「道灌」

古今亭菊志ん「明烏」
元気良く登場。ここでウケないと平治さん権太楼さんが、
みんなの聞きたい大きいネタをやらないかも、なんて枕で軽く脅す。
若旦那のハナシ。
いっ平さんと木久蔵を例に出し、苦労がない、
無駄に声がでかい、と久々に毒舌。
これは意外や意外、ギャグの仕込みにもなっているのでした。

噺の方はリズムに乗って聞かせる部分と、
芝居をする部分でメリハリを付けているけど、
ちょとくどく芝居をして、笑わせるという場面が多かったかな。
そして衝撃だったのはサゲ。
すっかり大人になった若旦那は、
キャラが変わってしまうほどに立派な男になっていた!
コレおもしろいわァ。
花緑さんの「明烏」にも近いもの(若旦那による復讐劇)を感じるけど、
こっちのほうがサゲのニュアンスもおもしろい。

やっぱ菊志んさん、イイですねェ。
当たり前のように、当たり前じゃない落語をやってくれます。
こういうのに当たるから追いかけてしまう。

桂平治「源平盛衰記」
今日はCD用の収録をしているんだけど、
「もう主な演目は収録済み」と言つつ、
師匠の桂文治の十八番だった「源平盛衰記」を、とのことで
場内は盛り上がる。

といっても、ほとんど漫談でしたね。
先代の林家正蔵(彦六)や、正雀、春風亭柳昇なんかの、
モノマネ入りのエピソードやら、オリジナルのギャグなどなど。

もちろん、おもしろかったけど。

柳家権太楼・桂平治「対談」
落語には縦の笑いと横の笑いがあって、
盛り上がりをつくる縦の笑いの噺なら長さがあっても良いが、
細かいギャグの連続の「源平」は長くちゃだめ、
と平治さんにだめだし。なるほどねェと納得してしまいました。
あと「源平」といったら立川談志と言っていましたね。

大相撲の八百長は悪くないというハナシやら、
わりと雑談という感じでした。

仲入り

柳家権太楼「粗忽の釘」
これは確か、ネタ下ろししたばかり何でしたっけ?
イイものが聞けたなァ。

序盤こそ、スロースタート気味だったものの。
引越が終わって、粗忽な旦那と、その旦那を叱り飛ばすお上さん、
という夫婦のおかしさと、ヒートアップする旦那の粗忽に大爆笑。
隣人たちの困惑する表情と、まったく気にしていない粗忽人間の面白さ。
「脇の下コチョコチョ」も微妙にエロくて笑ったなァ。

2008年10月07日

柳家権太楼独演会

柳家権太楼独演会
2008年9月27日(土)会場:三鷹市芸術文化センター星のホール

柳家ほたる「一目上がり」
なんと噺の途中で入場できないシステムになった、星のホール。
ロビーにたくさん人がたまって、
小さいモニターと音で落語を聞いています。

着くなり、すぐ中に入れないと知って
「朝日名人会じゃないんだから」とか思ったけど、
あっちは開口一番の間は入場自由ですからねェ。
ちょっと神経質な客に対して過保護すぎじゃないかなァ。

柳家右太楼「野晒し」
けっこうリズムが良いですね。楽しくきけました。

柳家権太楼「井戸の茶碗」
今日は紙屑屋の噺を二席演るとのこと。
といっても、それぞれ別人だし、もっと言うと与太郎だって、
噺によってそれぞれなんだ、と持論を展開。
紙屑屋は職業だけど、
与太郎は人物・キャラだからハナシは別じゃないかなァ。
まァいいか。

噺の方は、相変わらずの権太楼落語で、爆笑編。
四苦八苦して半泣きの紙屑屋は、
終いにはお金を投げちゃうんですが、
そのときの「ウェー」って顔のおもしろいこと。
そんな紙屑屋がかわいくて魅力的だから、
古典らしいギャグもハマってバンバンとウケる。
人情噺というよりは、ドタバタ劇の傑作。

仲入り

伊藤夢葉「奇術」
三鷹でもあのムチが!と思ってワクワクしつつ登場を待ちました。
くだらない下ネタのオンパレードに時々マジネタを入れる
オーソドックスなマジックスタイル。

柳家権太楼「らくだ」
いい「らくだ」でした。
言ってみれば、なんてことないストーリーでドラマもない。
そんな噺じゃないっすか、「らくだ」って。

だけど悲劇続きの紙屑屋の情けなさに同情してしまうし、
酔っぱらってからの二人のおかしさには素直に反応してしまう。

極貧の長屋に死人と紙屑屋とならず者、
焼き場に泥酔した坊さん。
舞台も登場人物も普通じゃない。
貧乏そのものの「どん底」という世界が生き生きとしている。

すごいよなァ。

2008年10月05日

いわと寄席 市馬の日

いわと寄席 市馬の日
2008年9月26日(金)会場:シアターイワト

とっても楽しみな、いわと寄席。
年二回のペースですよね、たしか。

今回は、市馬さんの一番弟子の市郎さんが、
11月から二ツ目に昇進する(改名して「市楽」に)とのことで、
たっぷりな開口一番だったようです。
例によって遅刻して聞いてないんですよね。
開口一番:柳亭市朗「悋気の独楽」

柳亭市馬「道灌」
「道灌」は前座さんが良く演る噺ということで、
退屈なこともあるんですけど、そこはそれ。
看板の噺家さんが演ると、こんなにおもしろい噺だっけ?と
言うくらいにおもしろい。

「ご隠居が(喋り続けて)口が渇くだろうから、
あたしがちょいちょい口をはさんであげてる」という八五郎に、
素直に「あら、それはありがとう」というご隠居。
ご隠居と八五郎の気心の知れた仲、信頼関係がうかがえるような、
不思議なんだけど、楽しいやり取り。

すぅっと安定感があって、
身をゆだねてしまうような心地よさがあるのが、
前座さんとの違いですかね。
お客さんの市馬さんへの信頼が成せる高座なのかも知れません。

柳亭市馬「堪忍袋」
抜群に面白かったのがこの噺。
夫婦げんかに堪忍袋を使い始めた場面で、
亭主の作り笑いのおかしいこと。
喧嘩の迫力と、一転してピースなムードのギャップ。
酔った寅さんが入ってきて再び、
モノモノしくなったりと展開もおもしろい噺。

仲入り

柳亭市馬「付き馬」
池袋演芸場が三階にあったころ、
前座が通りで呼び込みをしていた、
なんてハナシから吉原の若い衆のハナシへ。

とにかく、だます方の男が調子が良くて楽しい。
特大のハヤオケが出来てしまい、
持ち帰ることになるバカバカしさ。
アーくだらない、と聞いている方は
アタマが空っぽになる楽しさです。

終始、楽しくて朗らかで、
この時間がずっと続けばなァ、と思える
素晴らしい会でした。